2014年の代表作「献灯使(けんとうし)」は原発事故を想起させる厄災後の日本が舞台だ。107歳の壮健な男は、ひ孫をケアしながら、仮設住宅で細々と暮らす。子どもたちはカルシウムを摂取できず、パンを食べると歯がぼろぼろになるほど、体が弱い。 暗い近未来を描いたディストピア小説と評され...
大災厄後の日本を舞台とした「献灯使(けんとうし)」や、ホッキョクグマを主人公にした「雪の練習生」など、代表作が次々翻訳され、30を超す言語で本が出ている。言葉と言葉の狭間(はざま)で生まれるユーモアと、批評性の高い物語が世界の読者を引き付ける。