2014年の代表作「献灯使(けんとうし)」は原発事故を想起させる厄災後の日本が舞台だ。107歳の壮健な男は、ひ孫をケアしながら、仮設住宅で細々と暮らす。子どもたちはカルシウムを摂取できず、パンを食べると歯がぼろぼろになるほど、体が弱い。 暗い近未来を描いたディストピア小説と評され...
今の暮らしの現状維持すらままならない2040年をどう迎えるか。多和田葉子さんに、未来と向き合う「心構え」を聞いた。 ――小説「献灯使(けんとうし)」の107歳の主人公は、ひ孫のもろい体を心配する一方、タコのようなひ孫の動き方は人類の進化…こ...